ウエハース島の思い出 5  〜シュトゥルム・ウント・ドラング〜/よだかいちぞう
 
り合うところを
シュトゥルム・ウント・ドラングといいます
そこはチョコレートとバニラクリームが
渦を巻いて混ざり合っていて
とても安定していない地層です」

アルルコールは女史が何を云おうとしているのか
いまだに理解できなかった
女史はアルルコールに落ち着かせるそぶりをみせて
こう云った
「あなたもリタのことなんて忘れて
私と一緒に地層の研究をするべきです」



リタは一人
ウエハース島の海を臨む崖にいた
崖の淵に座って
足をプラプラさせているのだ
崖のしたは波打つ海で
海までは20メートルはある
もしここから飛び降りるのならば
死にはしないが確実に骨
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