「彼女は無糖派」/菊尾
 
」と満足そうに笑って彼女は
「じゃあお返しに」と同じ事をされた。
手を繋いで真っ直ぐ歩く。飲み終えた缶コーヒーを片方の手に持って。


「あのさぁ前から思ってたんだけどさ」と切り出す彼女。
「何?」と切り返す。
「そのグロスどこに売ってんの?ほんとは気付かない間に一緒のにしようとしてたんだけど
全然見つからないんだよね。あと香水。いいよねその香り。」
知らぬ間にペアにされようとしていたらしい。
「ああ、グロスはね会社の人に貰ったの。なんかフランスのだってよ?よく知らないけど。
香水はつけてないよ?多分シャンプーとかじゃない?」
「ふーん。シャンプーの匂い
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