「精霊、山の手」/菊尾
 
が「山の手」だ。
 山の手になるとそれが分かる。
 人間はなく私は山の手なのだ。という認識が。
 さて由来について話そう。
 東京に山の手線ってあるだろう?恐らくあれが由来だろう。
 あれはグルグルと都内を何周も周る。
 あんな感じに私達はこの山の番人として
 誰かにバトンを渡していかなければいけないのかもしれない。
 それは途切れることの無い輪のように。
 いや、もしかしたら私達は山から出ようとするとグルグル同じ場所に戻ってしまう。
 それも由来の一つなのかもしれないな。
 と、こんな風に私は前の住人から伝えられた。
 山の手という名称は初代の山の
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