「精霊、山の手」/菊尾
 


「拝啓。お元気ですか?お変わりありませんか?山の手です。
 この度、やっと山を降りる事ができる運びになりました。
 それはと言うのも、全ては君、高橋くんのお陰です。ありがとう。
 私はもうとっくに諦めていたんだ。だが昨日君に出会って
 そして君に励まされて、私はここを立ち去る決心がついたよ。
 君には感謝しても感謝しきれないくらいだな。いやはや参った参った。
 
 ここで一つ君に伝えておかねばならない事がある。
 この山は普通の山ではないんだ。
 ここには恐らく神様が住んでいるのだろう。
 それが良いものなのか悪いものなのか私には判らない。
 私は
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