ただ捨てられるだけの日記/Rin.
者との間にもめごとが起こるのを懸念して、百か日のときに処分しようとか、なんだかそんな話になっていたようです。読経のあと、80冊近いノートが袋詰めされ、廊下の隅にやられました。袋の口はあいていて、「NO・75」と書かれたオレンジの表紙が除いていした。私はそれが気になって仕方なかったのですが、周りの目もありましたし、どうしても触れることができませんでした。ところが、「祖母は自分を一番可愛がってくれました。」と、私と同じように感じていたという弟が、ふと親戚に背を向けてそのノートを手に取ると、黙って書かれた文字を追って行ったのです。私と母、父もその姿にはっとして、同じようにノートを手に取ると、黙って目を落
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