沼の主/チアーヌ
ゃい」
女はさっさとそこへ横になると、俺を呼んだ。
そうして、何のためらいも無く、申し訳程度に纏っていた薄衣を脱いでしまった。
青白い体は、薄ぼんやりとした蛍光灯のような明かりのなかで、ますます白く見えた。
何度も洗った後のような、白くて清潔なシーツの上に、ふたりで横たわると、布団がとてもふわふわと柔らかいのがわかった。
「気持ちいいわね」
そう言いながら、女の腕が俺に巻き付いてきた。
一瞬、海の中で海藻が、ぐるぐると巻き付いて来るような感触がしたけれど、それはそれでいいと思った。巻き取られ、優しく締め付けられるような。
「そうだな」
俺も同意した。
女は俺の頭を優し
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