沼の主/チアーヌ
 
優しくなでながら、まるで子供に言うように、
「いい子ね」
と言った。
 そして、ベッドの上に半身を起こし、ゆっくりと両足を大きく左右に広げ始めた。
 俺も半身を起こし、女を見た。
 女は薄く笑いながら言った。
「さあ、お待ちかね。面白いものを見せてあげるわ。ねえ、見たいでしょ」
俺は黙ったまま女を見ていた。

 女が両足を大きく開くと、そこには真っ赤な空洞があった。入り口は血の色で赤く、奥へ行けば行くほど真っ黒になって行くようだった。
「ねえ、覗いてみて」
女にそう言われ、俺はそこへ顔を近づけた。
 こんなおかしなものを見たのは、初めてだった。
 ぐにょぐにょ、ぐにゃぐに
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