沼の主/チアーヌ
ぐにゃとした肉の内部は粘膜で覆われているけれど、その奥がどこまで深いのか、俺には見当もつかなかった。
「そんなんじゃ、よく見えないでしょ。もっと奥まで見るのよ、さあ」
女がそう言いながら、俺の頭をぐいっと押さえ、女の足の間にあった真っ赤な空洞へ、俺の顔を押し付けた。
その力は、さっき水の中に引きずり込まれた時と同じように、強大な力だった。
まるで巨大なクレーンの先に取り付けられた鉄骨のように、俺は、女の空洞へとセットされてしまった。
そして、真っ赤な空洞が、ぴたりと張り付くように、俺の顔に吸い付いてきた。そうしてそれは、俺の顔面を覆い尽くし、俺の顔についているすべての穴を塞ぐように
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