花という花をあなたにあげよう/umineko
 
ゃあおらんかって、朝晩どおしても見に来るんですよ」

―たいへんなんじゃないですか?
「よそさまはそうゆうてんですけどね、なんかどんどん花が咲くんですよねえ。枯れた、思うたら次の年にはまた芽吹いたりして、おじいさんが、やめえやめえゆうんですけど、やめれんのですわねえ」

―いやあ、こんなに手入れされてたらつい来たくなりますね。まあ来ませんけど(笑)。
「なかなかね、どうぞおいでんさい、っていう商売じゃないですしねえ(笑)。」

みんな。忙しかったりする世界だ。自分のこと。欲望について。欲望の、処理について。
だけど、ラブホテルの前に咲く花を、見逃すわけにはいかないんだよ。


[次のページ]
戻る   Point(8)