海に似た形の、しかし実体のない女を語るように/2TO
 
とは、「波−風」という「パルス」の調子をニュアンス付けているものであるといえるだろう。)

さらにはこの「パルス」こそ、「明滅」という「反復」、そして「作者」と「彼女の影」との入れ替わりという「反復」を、その律動という一本の(視)線として「友達」・「女たち」―――こういってよければ「(複数の)潜伏者」―――を結びつけている不可視の形象なのである。

「作者(書く私)」と「彼女」との闘争を、「波−風」は第一連・第二連を通して吹き抜けていくが、それは「女たち」という形を取って、改めて最終連の初めに現われる。言語の一般化された形式において、「他者」は「人称代名詞」という「三位一体(トリニティ)」
[次のページ]
戻る   Point(4)