心の地下室で独りが笑う/うおくきん
目の自我崩壊に至った。
味方を敵と思い込んだ独りは居場所を粉みじんに破壊した。
破壊は終り、味方も消え去った。独りはまたもや屍体になった。思考停止の生ける屍体・・・「こんな無様な姿になってまで地上にいたくない、こだわる理由もない、また地下室に潜ろう」というところまで追い込まれた。
・・・しかし、そんなことは味方が許さなかった。独りにはわずかに本物の味方がいたわけだ、味方のふるいわけを行ったわけだ。
思考停止は続かない、許されない、独りは自我を再構築し始めた。盲目の少女のように手探りで。味方の存在を信じて。
しかし、なぜか満足できない。
貪欲な独りは、味方を求める一方、自
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