大力の女/チアーヌ
 
ちは、みな、唖然としている。
当たり前だ。
見た目、優しげで可愛らしい、華奢な女の子が、いとも簡単に鉄パイプを、指2本で捻り切っているのだ。それも、一センチ刻みくらいの間隔で。
何しろ鉄パイプだ。それを指2本で、まるで楊枝でも折っているかのように、ポキポキと折ってしまうのだ。俺だってそんなことはできない。
俺はいまいち、目の前で起こっていることが、理解できなかった。
そして、おかしな男も、はじめはわからなかったようだけれど、しだいに彼女のやっていることに気がついてきたようだった。
そうして、男は、気味が悪いものを見るような目で、彼女を見始めた。
そうしたら、彼女は、堪えきれないような
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