風景に消える心/狩心
ら
わたしと平行に進んでいくその距離に
車のヘッドライトが瞼を横切る
それを瞼の裏側で感じている
山の斜面を転がりながら
夜の繁華街に身を任せるのかしら私は
公園で待っている少女に
誰を待っているのと話し掛けると
誰も来ないことを確認してるのと
哲学者のような返答が返って来る
私はコンビニで買ったナポリタンを
その少女に塗りたくった
なにすんだよと 不良少年張りの声を上げて
殴りかかってきたその子を
夕焼けである私は抱き締めた
なぜだか笑い声が聞こえて
少女は消えてしまう
ミートソースの間違えでしたと
あなたは言うけれど
あなたの口元からは
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