風景に消える心/狩心
 

わたしと平行に進んでいくその距離に

車のヘッドライトが瞼を横切る
それを瞼の裏側で感じている
山の斜面を転がりながら
夜の繁華街に身を任せるのかしら私は

公園で待っている少女に
誰を待っているのと話し掛けると
誰も来ないことを確認してるのと
哲学者のような返答が返って来る

私はコンビニで買ったナポリタンを
その少女に塗りたくった
なにすんだよと 不良少年張りの声を上げて
殴りかかってきたその子を
夕焼けである私は抱き締めた
なぜだか笑い声が聞こえて
少女は消えてしまう

ミートソースの間違えでしたと
あなたは言うけれど
あなたの口元からは

[次のページ]
戻る   Point(3)