「 今日から強化人間弱化月間。 」/PULL.
 
同意を求められわたしは、曖昧に受け答えをする。曖昧であることはわたしがわたしであることの必須条件だ、曖昧でなくなればわたしは、この姿のわたしでいられなくなってしまう、それはわたしの危機だ、そんなわたしの曖昧な危機を脅かすように、ビール三杯で出来上がったウシキドくんは続ける、
「この間の飲み会の時だって、女の子なのにひとりだけぜーんぜん酔わなくて最後までしらーっとした顔しちゃって、かわいげがないし、ありゃやっぱり反人的ですよ。冷血怪人タワミー、もぉーきまりですよ。ねえツタさんもーぉそう思うでしょー。」
「そうかな、ほら、体質的にお酒の強いひともいるからね。」
「もぉー、ツタさんはこれだからもぉ
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