ブラッドなんて感覚を決め台詞にするのはよしなよ/ホロウ・シカエルボク
 

幻覚の蝶の鱗粉は
生きていられない場所を選択してしまった
幻覚なのに墜落した、幻覚なのに
なすすべもなく死んでしまった
センチメンタルに過ぎて俺は腹を立ててしまう
手当たり次第に破壊したくなる衝動に駆られるが
何かを破壊しながら詩を書くことなど到底出来やしない
破壊し、破壊し、破壊し、墓石
埋葬の手順を間違えないように黙読している
友達が言っていたんだ、埋葬を省かれるととても哀しい気持ちになるって
だから俺は埋葬の手順を間違えないように黙読している
そうしている間にも概念的な胎内で砂はザラつき
口腔で鱗粉は墜落してゆく
墜落には墓石は立てられないよね、ああそれはそうだ
[次のページ]
戻る   Point(4)