ブラッドなんて感覚を決め台詞にするのはよしなよ/ホロウ・シカエルボク
 
ンのピアノソナタの中に
金属工場のプレス機の響きを見つけることがある、きっと俺は武器になるほどに気の毒な
診察券をひとつ持つべきなのだ
誰もがそれ以上一言も口を挟むことが出来なくなる
最高に気の毒な詳細が記してある診察券を
俺は狂っちゃいないよ
俺は狂っちゃいないよ
俺は狂っちゃいないよ
俺は狂っちゃいない
幻覚の中から蝶がはみ出して、現実の中の電灯をよぎる、ほほ、ははは、と軌道に書いてある
ほほ
ははは
俺はそれを指でなぞった、余計な鱗粉をたくさん吸い込んだに過ぎなかった
口の中で蝶の命が舞う、それはやがて唾液で墜落してゆく、ああ
それは生きていられない場所なんだ

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