ブラッドなんて感覚を決め台詞にするのはよしなよ/ホロウ・シカエルボク
の端っこの
処理の甘いところでこめかみの辺りを切り大げさに血を流す
でもやつは痛いとも痒いとも口にすることはないから
俺はやつがそのまま死んでしまうのではないかと余計な気を揉んでしまうのだ
砂が張りついてからの数時間、俺の気分はほんの少し
ざらざらしたままで過ぎる
落ちて失ってしまったもののことはもう思い出せない、きっとそうなって初めて失くしたと胸を張れるのだ
それを人は誇りというのだ、そうだ
誇るたびに愚行が増えてゆく
日記帳に糞色のペンで出来事を綴るみたいさ、聖者に憧れたわけじゃないが
もうすでに断罪されたみたいな
幻覚が目のはしでチラつくのは何故だろう
ベートーベンの
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