おまえたちは黄色い海の中へとうずもれてゆく/Utakata
 
いつか
    男になり 女になるとき
    おまえたちは長い廊下を歩きながら
    身に付けた風景を一枚ずつ脱ぎ捨てていくのだ)





全ての記憶は痛みなのだと
言ったら おまえたちは
笑うだろうか





    (幼い頃のおまえたち自身の骨を
     おまえたち自身が掘った穴の中へと静かに埋めるのだ)





笑わないのなら
せめて少しだけ祈ってやってほしい
もし笑うのなら
そのまま歌を続けてくれないか
記憶さえされなかった痛みたちのために





   (夕立がとうとう降り始める
    おまえたちは一斉
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