おっぱい/リヅ
もない誰かを何者でもないまま真っ白な頭で
日に焼けた肌みたいな色の土煙と例えようのない空
ギリギリの場所
それでいて永遠みたいな時間の場所
あたし、男の子になりたかった
戦場に行きたかった}
男の子たちはいつも優しい
幸せなことなのかも
当たり前のことなのかも
おっぱいを掴む君の手に少し力がこもる
痛くはなかったけど
あたしを泣かせちゃうこともできるって知ってる
その手の力強さはあたしにはなくって
おっぱいはいつも不機嫌
あたし、嫉妬してる
あたし、みにくい
あたし
あたし、男の子になりたかった
{引用=荒野の真ん中で
男の子が一人立っている
誰もいない
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)