けれどももしかしたら砂浜のことを忘れているのかもしれない/ホロウ・シカエルボク
?予報ではまだずいぶん後のことのように言っていたけど…早くなったり遅くなったりすることなんてそんなに珍しいことじゃないから―緊張感が判らないのならコーヒーでも入れましょう、洒落っ気があるのならサイフォンの方を選んで
雨の音について考え込んだことがある?世界に落ちる最初の一粒が弾ける音を聞くのはいったいどういう種類の人なのかって…ミルクを少しだけ入れて……それがいつの間に落ちてくるのかということについて考え始めると時間が溶けていくような気がする、最初の一粒なんてきっと誰にも耳にされることなく弾けていくのだ…雨の音とサイフォンの音が奇妙なシンクロを始める、シンクロは不思議だ、なにか目にとまらないもの
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