けれどももしかしたら砂浜のことを忘れているのかもしれない/ホロウ・シカエルボク
 
してはそこからいろいろなものがこぼれ落ちるから、空中をただよう蜘蛛の糸のようになんとなく見つめるだけにして―真剣さについて少し簡単に考えすぎているでしょう、そんなことはないと言ってもそんなことはあなたが決めることじゃない、足元の砂のことをいつまでも気にしていたりはしないで、本当にどうしてここに落ちているのかまったく見当がつかないのだから…今日は砂浜には行っていない…砂浜になんて一歩も踏み入れたりなどしていない、いつか話したことなのかどうかもう覚えてないのだけど、ときどき真っ白になってしまうことなんてあれは遠い昔のお話、いまはデジタル時計のカウントと同じくらい正確に把握している―雨の音が聞こえた?予
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