二度と羽ばたけない羽なら捨てることもまた飛ぶことだ/ホロウ・シカエルボク
 
ための手段を模索することは無意味だろうか)
模索しないよりはマシかもしれない、だけどね
それにはやっぱり何の意味も無いかもしれない
浮浪者のコートを嗅いだ子犬は次の日タントに首根っこ轢かれて死んだ
首輪をしていたけどそれは誰かが泣いてくれるという保証ではなかった(あいつは金で買われてきたんだ、小さなショーケースの中から)
誰かが頭を撫でたいときだけあいつらは存在している、同じことだ
車道だろうが歩道だろうが同じことなんだろう
コードの切れた黒電話の受話器の中にはそれと同じ形をした透明なゼリーが詰まっていて
飲み込んだものたちをただそれだけのものに変える
(ただそういう形をしている
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