思い出が詰まってる/桜 葉一
 
なたが本当に愛してる相手は私じゃないことを
あなたのすべてを知る私には
あなたの気持ちなんかすぐに分かってしまうんだ
だけどそれでもいい
そばにいられればそれだけでいい
あなたはこれからもきっと
あなたなりの言葉で私に愛を伝えるだろう
だけどそれは
本当は私を通して見据えた
あの人への言葉で
あなたが本当に愛している人への言葉なんだ
だから私はあなたが本当に愛している人の気持ちになって
あなたへの愛に応える
それであなたが笑ってくれるなら
それでもいいんだ

私はあなたの
手の温もりも
吐息も
首筋の匂いも
忘れることはない
あなたと過ごしたたくさんの日々
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