思い出せない(いつのまにか死んでしまうものたち)/ホロウ・シカエルボク
び出し、階段の踊り場まで逃げたけれど(多分昇降口を目指していたのだ)
級友たちに捕まってものすごく責められた
あの時の級友たちの怒号
俺は涙をこらえていた
きっと
悪いことをしたという自覚がなかったのだ
きっと腹を立てていたに違いないのだから
(もしかしたらただなんとなく殴ってみたかっただけかもしれない)
だむ、という音は鮮やかに蘇ってくる
生体を殴るとあんな音がするのだ
友達のインベーダーの消しゴムを筆箱から盗んだ
焼却場の炎をずっと見つめていた
あまり高くないブロック塀から
三年生ぐらいの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)