思い出せない(いつのまにか死んでしまうものたち)/ホロウ・シカエルボク
 
び出し、階段の踊り場まで逃げたけれど(多分昇降口を目指していたのだ)
級友たちに捕まってものすごく責められた
あの時の級友たちの怒号
俺は涙をこらえていた
きっと
悪いことをしたという自覚がなかったのだ
きっと腹を立てていたに違いないのだから







(もしかしたらただなんとなく殴ってみたかっただけかもしれない)




だむ、という音は鮮やかに蘇ってくる


生体を殴るとあんな音がするのだ







友達のインベーダーの消しゴムを筆箱から盗んだ
焼却場の炎をずっと見つめていた
あまり高くないブロック塀から
三年生ぐらいの
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