思い出せない(いつのまにか死んでしまうものたち)/ホロウ・シカエルボク
いの子供が落ちるのを見た
何もしなかった
俺のすぐ後ろを歩いていた六年生くらいの女の子が
すぐに駆け寄っていろいろなことを聞いていた
(おそらく彼女はあの子が落ちるのをどこかで待っていただろう)
俺はそう思っただけだった
そうだ
そう思っていただけだったのだ
そしてそれは多分きっと今でも
すべて
死体だった
すべて
死体だった
すべて
首がぐらついていた
すべて
わずかな血しか流さなかった
思い出せない
思い出せない
思い出せない
教えて
教えて
教えて
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