言語について/右肩良久
ってしまいます。彼等の「盃」は、我々の階層では「骨壺」という意味なのですね。これは極端な例ですが、それよりも微妙な違いが夥しく存在し、それぞれの言葉に方言にも等しい印象の違いを与えています。また実際に各階層ごとの方言も存在しますから、ことは余計に複雑極まりない様相を呈しています。それからみなさんばかりでなく我々の子供たちをも悩ませるのがこれも煩雑な語の活用です。18の品詞のうち、なんと10の品詞が活用し、しかも時制と語の接続による活用とが組み合わされて、一語に8通りも変化のパターンがあります。フランス語と違って男性、女性による名詞の区別はありませんが、これとて男性に話す場合と女性に話す場合で、語そ
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