虚偽と忘却のエピソード/atsuchan69
 
った。初めて見たにも関わらず、それが悪魔――フルフル――だと判った。
 「ここでは放し飼いにしているんだ。限りなく太陽光にちかい施設の照明の下では、ヤツは闇夜の時のようにけして邪悪ではない。捕食する餌は、君にはとても信じられないだろうが、なんとクローバーの葉と花の蜜なんだよ」
 わたしは震えながら言った、
 「恐ろしい。お前ら、国民の血税を使ってこんなバケモン飼っているのかい!」
 「なんとでも言ってくれ。これらは、『美しい地球』を守るために日々行なわれている血みどろの研究の成果なのだ。一般には知られていないが、次世代の外壁のない航空機は七層のデフレクター・シールドに包まれて、卓袱台を置い
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