虚偽と忘却のエピソード/atsuchan69
国の『政府公認機関』とやらは、これほど重要な問題にどのような姿勢で臨んでいるのだろう? 『えーと、アレですか? アレは映画の撮影でした』では済まされない筈だし。きっとそのうち、事態はさらに悪化する。たった一匹のフルフルが大都市を襲ったらどうなる? 水道の水に、大量の『記憶忘却剤』でも混ぜるつもりかい」
「そうなることは先ずないだろう。しかし君の気持ちはよくわかる」
そう言って、Yは沈黙した。
「――フルフルに弱点はないのかい」
「もちろん、弱点はあるさ」
「え、本当に。それって何?」
「明るい光と、複数の人の響きあう声‥‥それもとくに混声4部合唱。殺すことはできないが、かな
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