あおい蝶がまた産声を上げる夜中(そして執拗に水は流れ続ける)/ホロウ・シカエルボク
飛んでいる、俺たちの身勝手な文章の上を、俺たちのばらばらな交錯の上を…くるくると―くるくると巻きついたくちびるをあらわにして(それで俺たちを笑っているつもりなのか?)生温かい、生温かい海の中に俺は果てしなく溺れ、君に悟られないように窒息する、君はそんな俺のありようを見てくすくすと笑う…君の行為の理由はもしかしたらそれだけのものなのかもしれない…
(他人の傷をも自分の血でもって悟らせるとはなんという傲慢だろう?)
オーブンレンジがゆるやかな音域でなにかの終わりを知らせる、あそこに誰がなにをセットしたのかなんてもう思い出すことが出来ない―君の血は尽きることが無い…けれどそれは決して成就する
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