あおい蝶がまた産声を上げる夜中(そして執拗に水は流れ続ける)/ホロウ・シカエルボク
あおい蝶だった、たったひとつの
あおいあおい蝶が飛んでいた…暗い、まばたきを忘れた夜に
さむけに痺れる歯茎の中で、とまどう悔恨のこびと、だらしなく口を開けて、だらしない哀を泣いていた
(そんなことはどうでもいい)
あるとき、そばへ引き寄せた孤独は甘い香のかおりがして俺にそれを求めることを恥だと思わせた、俺は初心な少年のように身を引いて見えないところですべてを処理したのさ…まったくあれは取るに足らない出来事だった…あのとき俺を狂わせたものがなんであったのか、俺以外にそれを理解出来る奴が果たしているだろうか?俺とてそれは記号のようなな
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