サークル/鈴木
とこちらに振り向いたのを! ――幹事と副幹事のヰタ・セクスアリスを知ったのは、その十八日後でした。我がときめきはトイレットペーパー、他人の尻を拭くために破られる運命を初めから背負っていたのです。正直に申し上げますと、あの夜、下宿に帰った後、酒と炭とタレのにおいに蕩けてはるか先輩に充満する妄念、その臨界点へ、僕の神経回路と下半身は燃えた猫のようになってよがったものであります。その後も。何度も。
挑んでもいない恋に破れて爾来、僕はサークルでの本旨すなわちひたすらな記憶に勤しみました。はじめ法学部らしく六法でも順次やっていこうかと考えたものの、それは現在法科大学院在学中の初代幹事の轍らしくどうも気が
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