サークル/鈴木
 
僕は作者だ。しょせん脳内の寄生虫である西島なんぞ道化に過ぎないのであって創造者を名乗るなどできやしない。その証拠に物語が終わってしまえば奴は死ぬ。しかし僕は生きている」。躍動した心地で一服しようと煙草の箱を取り上げると「空か」舌を打ち、作品を書き始めてからというものの一歩も外出していないのを思い出した。「買いに行きますか」。彼は椅子から立ち上がり伸びをして鍵と財布を手に靴を履き扉を開け日光を数日振りに浴びた。そこで起きた。ひどく肩が痛むので回すと大きく鳴ったけれども、頭頂部から頚椎にかけての鈍痛が和らぐことはなかった。煙草を手に取り火を付け煙くゆらせつつ状況把握に努める。どうやら机にうつ伏して眠っ
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