サークル/鈴木
 
の滑稽に向けてのことでした――そう、はるか先輩を苦しませまいという矜持を実行する機会を与えてくれた芳久先輩もまた僕と同じようにピエロでした――僕はごく自然な態度で、右足をさきほど絶頂に達したであろう彼の下腹部へめり込ませました。うつ伏せに倒れる芳久先輩を抱きとめ柱にもたれさせ、顎を殴った後に申し上げた言葉を、覚えておいででしょうか。このサークルに所属する者ならば然るべきですよね。
「聞いてくださいよ!」
 以上であなたが災難に遭われた理由の説明を終わります。僕は大学二年生であり西島匠であり物語の作者であり登場人物でもあります。あなたはどんな気持ちでしたか。操り人形を支配する作者のつもりか道化の
[次のページ]
戻る   Point(0)