サークル/鈴木
 
だったのかどうか。「七海は」僕は再度「いいか」歩き始め「最初から」予定とは進路を変えて坂を上り「わかっていた」三分後「ことじゃないか」頂上に聳える「はは」ラブホテルの麓に立ったのです。見慣れた男が煙草を吸っていました。
「芳久先輩」
 彼は目を丸くしていましたが、やがて、
「こんばんは」
 煙を吐き、
「ちょうどよかった。これから匠ん家に泊まらせてもらおうと思っていたのだ。金がなくて宿泊できなくてさ。相手は帰っちゃったよ。ところで夜中に散歩か?」
 笑いました。僕も頬を緩ませました。しかしそれは今まで偶像視していたカリスマへの追従ではなく、まだバレていないと勘違いしたがっている道化の滑
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