サークル/鈴木
 
が破れたのです「ただ、君の気持ちもわかるんだよね」しかし流れ出した血は前日とまるで違って温かく「私も芳久先輩でオナニーしたことがあるからさあ!」身体中のひびというひびに溶け込んでいきました。つまり僕は、
「ああ、西島くんになら言えると思ったけど、やっぱ恥ずかしい。――な、何がおかしい!」
 笑うことができたのです。それも七海のように。
 ほどなくして僕たちは恋人同士となりました。捨てる神あれば拾う神ありとはまさにこのことでしょう。
「捨てるなんて思いもよりませんって、芳久先輩は」
 ただ今より一時間半前ほどまで場面を戻しましょう、「ぽおつ升」にて、はるか先輩の怒りを僕がなだめるといったや
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