サークル/鈴木
 
なくて申し訳ないやら述べ立てた後、昼食を共にしないかと僕を誘いました。「今日?」「うん!」「そう」「どう?」「いいよ」五月七日は授業のない曜日でした。約束どおり午後零時三十分に学生食堂の入口に赴くと、既に七海が――黒髪ボブに青縁のおしゃれ眼鏡、服装はヴィヴィアンで固定という、ある種の女性にステレオタイプないでたちで――立っていました。僕を見た彼女はにこやかになりました、ほっとしたように。そしてカルボナーラを巻きながら、これだけは会って伝えたかったと前置きした後こう言ってきたのです。「おとといの西島くんの発表、恥ずかしいもんだったね」僕は痛みを感じました「あれはただのオナニーでしょ」唇のかさぶたが破
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