サークル/鈴木
 
ようやく頭痛と吐き気の中で自分の道化に気がついて、二日酔い定例の発汗嘔吐小便に、流涙さらに口唇の冷ややかな血液を加えて体を枯らすこととなったのです。
 けれども以上の出来事がなかったならば戸山七海と付き合うこともありませんでした。
暁の衝撃で気が塞ぎ、五月六日、僕はひねもす床に伏していました。入学してから無遅刻無欠席を続けていたので罪悪感もあるにはありましたが、程なくしてそれは仮病で学校を休んだ子供かくあらんという背徳ゆえの心地よさへ転回し、朝からのメランコリーと融合を始め、自己を外世界へままよと放り投げたような気分に達しました。僕を離れた僕は粘液になって、あらゆる外観に溶け込みながら、下へ下
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