サークル/鈴木
しいこと言ってくれるじゃないの」先輩がはにかみながら「だが忘れてしまった」「記憶会にもかかわらず!」「うるせえ。今度、思い出しておくから、そのときまだやってほしかったら言うがいい」と宣言すると七海はとろみを帯びた目で「ありがとうございます」と呟きました。その様相は冷静になってみるとヴィヴィアンで固めた女の子がとりがちなコケティッシュであるのですが、何度も言います、全員が泥酔状態にあり、僕も彼女と同様に芳久先輩に憧憬を抱いていたのです、嫉妬などありませんでした。――ありませんでした! 昨晩は皆が笑顔だったのです。僕はあらゆる空間に幸福をもたらしてくれる酒が好きです。それは今でも変わりません。いや何も
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