サークル/鈴木
けた!」。そのとき七海が先輩にしなだれかかり「私、入学したてに見た芳久さんの発表に感銘を受けたんですよ。もう一度やっていただけませんか」と割って入りました。僕は、胸に多少の痛みを覚えましたけれども、嫉妬であるとは思いませんでした。むしろ尊敬する当時の幹事が行った弾き語りを自慰の余韻に呆然としていたによって覚えていなかったための悔しさなのだと受け取ったのです。「そうそう、こどもの日にやって頂いたやつ、僕からもお願いします」今になって尋ねてみたいのが、このとき作った笑みを芳久先輩はどう受け取られたのでしょうか、ということです。やはり道化が演技する滑稽としてなのかどうか、気になる次第であります。「嬉しい
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