サークル/鈴木
 
に先輩はミュージシャンの知識が皆無なのですね」「いやアクセル・ローズの命日なら知っているぞ」「生きています」「そう、ロックは死なないのだ」このような会話を続けながら大吟醸「ひぽくらてす」は空になり「いそくらてす」のが美味いだの不味いだの盛りあがっていると、昨晩二回目のインターフォンの音が部屋に響きました。芳久先輩が「お。七海ちゃんか」僕より早く立ち上がってドアを開けると、「わ」という愛らしい声が「せ、先輩」聞こえました。「おう。久しぶりに匠と飲みたくなってな」「そうですか。じゃあ私も御一緒していいですか」「うむ。しかし酒が切れてしまったよ」「大丈夫。私も持ってきたんです」「その袋はまさか」「まさか
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