サークル/鈴木
 
、先輩のテンションが高かったのは自分の尋ねた話題を避けるためだったのだと気がついて目を泳がせました。「ほんじゃ、まあ」彼は瞬きを繰り返しながらジョッキを手に取りました「いただきます」。が、彼はビールを口に含むことができませんでした「乾杯の前に飲むな!」というはるか先輩の鋭い叫びが飛んだからです。彼女はそのまま店員を呼びつけました。僕は悪い予感がしました。既に八本の徳利を空にして酔いは限界の域に達しているから、今夜アルカホールはもはや摂取しない流れになっていたのです。記憶会の公式な飲み会でもないのに寿命を縮める飲み方をしたくはないというのが、双方の本音だったはずでした。なのに「熱燗を!」彼女は高らか
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