サークル/鈴木
私の人生が小説だって話をしていたんだ」「ほう」鈴木の目が喜色を帯びたように細くなりました「西島くん本当かい」「うん。だけどこんなつまらない人生を作るなんて作者いたらアホだよねとか先輩は笑っていたよ」「あそう」すると文学かぶれの微笑みは他人に安心感の欠片も与えない類に口を歪ませたかたちとなり「しかし僕は先輩の人生を書いてみるのもいいと思いますけどね」と言いました。「なぜゆえ」の質問に二秒ほど間を置き「先輩のような方は小説にすると輝くからですよ」。「はん」という僕の怠慢な相槌によって話題はお開きとなりました。この、出来損なったオカマみたいな顔をした文学かぶれが、幹事の何か普遍的なものを射抜いているかも
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