瞬きのうちに夜になる?シタール/ホロウ・シカエルボク
臀部に長い爪を突き刺す
爪の先にこびりついた浅いところの血からは淡水魚の味がする、おまえが肉にいっさい手をつけないせいだ―おまえから産まれた魚を食らう―背びれがもったいぶった指先みたいにビクビクと蠢くのを感じるよ…汚れた皿は庭にでも放り出しておけばいい、所詮焼き上げたものだから生命と同列に並ぶことは出来ないよ
狂った虫の乱れ飛ぶ強い日向の幻想だ…俺の指先は小刻みに痙攣しながらかつての忌まわしいものたちを勘定している…爪の隙間からぽろぽろとそのときの空気が零れ落ちて行くんだ、痒い!それは途方も無いほど痒い、震える指先をおまえの真理に差し込むとおびえた猫のようにおまえは縮こもる、俺のかつての中にひ
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