Ferris wheel/山中 烏流
 

紡いだ言葉のあとで
君は、小さく
ほんの小さく
むせび泣いたあと
初々しい
笑顔のままに
 
手を
とってしまう
 
 
 手を繋いだ
 夢の終わりに近づく、五時
 
 扉が開くとき
 私はきっと
 少しだけ、なにかを知る/ってしまう
 
 そうして君は、
 そのときになって
 
 手を
 離すのだろう
 (か。
 
 
僅かに
開いていくものは
踏み出すより、速く
私を
追い抜いてしまう
 
零れ落ちて、
 
低速になる六時
私は指先から
光に変わっていく
その
緩やかなる消失を
君は、きっと
見ないふりをして

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