「 裂けるため、の眼の。 」/PULL.
みまで満たします。
そうして、天井まで満たされたあなたの家は、ひたひたと、こぼれ、誰もいない夜を歩き出す。
三。
天窓からは月が、手を伸ばし、ひと眠り、掬い上げては雲に垂らします。
うるおった雲は寝返りを打って月を隠し、隠された月はこれ幸いと、十五夜ぶりの居眠をはじめ、眼立ちたがり屋の月のいない雲間ではきらきらと、星たちが舞いひかり、夜を、歩くあなたの家を照らします。
四。
そろり、そろり。
濡れた手紙からことばが剥がれ、枕の吐き出す獏に乗り、あなたの瞼に、悪戯をはじめます。
五。
うなされあなたの家は立ち止まりそのまわ
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