雪明かりの王女/beebee
ています。
『お父様。あそこに見える家は灯りがついていません。』
王女さまはそう言って指をさしました。確かに一軒、回りの家が明々と灯りがついているというのに、黒々としてひっそりと佇んでいる家がありました。
『きっと貧しい家なんだろうね。』
王様は少し悲しくなりました。王様はどんなに貧しい人達からも高い税金を取り立てていたからです。きっとそのために楽しいクリスマスが迎えられないのでしょう。
『それでもお父様。神さまはちゃんとあのお家の子供達にも素晴らしい贈り物をくださいますよね。明日の朝、あの家を乳母に見に行ってもらいましょう。』
心優しい王女さまはベットの中から王様を見上げました
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