雪明かりの王女/beebee
 

 王様はそのような王女さまを見ていると可哀想でなりません。こんな幼い子供がもうすぐ天国に召されるなんて、とても信じられませんでした。
 王様は少し神さまを恨めしく思いました。来年こそは国民からもっともっと税金を取り立てて、王女のために外国から有名なお医者さまを呼ぼうと心に決めました。
 窓の外ではまた雪が降り出しました。細かな粉雪です。窓から洩れる光の中を粉雪は静かに落ちて行くのでした。
『ごらん、私の国は美しいだろう。雪がいっぱい積もった家々の灯りが、ほら星のようじゃないか。』
 王様は窓の方に両手を拡げると自分の小さな国を誇らしげに示しました。けれども王女さまは何やら悲しい顔をしてい
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