雪明かりの王女/beebee
 

 王様は反対に急に悲しくなって来ました。
『神さま、可哀想な娘をお救いください。』
 王様はそう呟くと、急いで王女さまの部屋に入って行きました。
 王女さまの部屋はとても暖かで、そこでは幾つもの暖炉が燃えているようでした。王女さまは窓際の大きなベットの中で、乳母に付き添われて寝ていました。
  王様が傍らに寄ると、王女さまは布団の中から両手を出して、王様のポッチャリした暖かい手を自分の頬にあてがいました。病気のせいか王女さまの白い肌はますます白くなって、大理石のように透き徹っていました。王様の手が押し付けられた頬は、熱のために王様の暖かい手よりももっと熱く、燃えているようでした。
 
[次のページ]
戻る   Point(0)