雪明かりの王女/beebee
 
んだようでした。
 月は雲に隠れていましたが、薄青白い雪明かりで遠くまで見渡すことができました。遠くに黒く重たい山々が見えました。町を取り巻く森の木々は白く雪を抱いて立っています。地上では雪を背負った家々の窓から、赤い灯りが洩れて輝いて見えました。
 国中が藍色に透き徹った冷たい空気に満たされていました。時折強い風が吹いて、降り積もった粉雪を吹き上げているのでした。
 澄んだ空気から伝わって来る町のようすは次第に静かになって来ました。もう少しで一日の終わりを告げる鐘が鳴ります。その鐘の音がクリスマスが来たことを知らせるのです。




クリスマ
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