雪明かりの王女/beebee
 
しまいました。まるで眠っているような王女さまの死に顔でした。
 王様はたいそう悲しみました。あわててお医者さまを呼びましたがどうしようもありません。王様はそのまま床に跪くと神さまに祈りました。
『神さま、私が悪うございました。私が欲張りでした。これからは優しい王になります。きっと優しかった娘のようになります。』
 王様は一心に祈りました。
 その時、町の教会から鐘の音が聞こえて来ました。クリスマスを知らせる鐘の音です。寒い夜空を、町々をそれは渡って行きました。町のあちこちからは静かな歌声も聞こえて来ました。
『ああ、クリスマスがやって来たんだ。』
 王様は祈りを終えて、閉じていた目蓋を
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